【中国人との国際結婚の手続き】婚姻届に必要な書類を行政書士が解説
中国人との国際結婚手続きで最も重要なのは、ズバリ「必要書類の完璧な準備」です。行政書士として数多くの国際結婚をサポートしてきた経験から断言しますが、書類不備による手続き遅延が最も多いトラブルなのです。
私は行政書士の松村と申します。これまで100組以上の国際結婚手続きをサポートしてきました。特に中国人配偶者との結婚手続きについては、法改正による変更点も含めて最新情報をお伝えできます。
今回は中国人パートナーとの結婚を考えている方に向けて、婚姻届提出に必要な書類と手続きの流れを、分かりやすく詳しく解説いたします。書類準備のミスを避け、スムーズな結婚手続きを実現しましょう。
婚姻届提出に必要な4つの重要書類


中国人との国際結婚では、日本人同士の結婚とは異なる特別な書類が必要になります。
書類準備でつまずくカップルが非常に多いのが現実です。事前にしっかりと必要書類を把握し、余裕をもって準備を進めてください。
- 婚姻届 – 日本人同士の結婚と同じ用紙を使用します
- 戸籍謄本 – 日本人配偶者の本籍地で取得する公的書類です
- 中国人配偶者のパスポート – 国籍と身分を証明する重要書類です
- 婚姻要件具備証明書 – 中国での独身証明書に相当する書類です
各書類には取得方法や注意点があります。以下で詳しく説明していきます。



国際結婚の書類準備で最も多いトラブルは「期限切れ」と「翻訳ミス」です。書類には有効期限があるものも多いので、取得順序と提出タイミングを計画的に進めることが重要ですね。
婚姻届の正しい記入方法
婚姻届は市区町村役所で無料で入手できます。国際結婚でも日本人同士の結婚と同じ用紙を使用するのです。
記入時に注意が必要なのは以下の点です。夫婦2人の署名と押印に加えて、証人2名の署名と押印も必要になります。証人は成人であれば誰でも構いません。
国際結婚では原則として夫婦別姓になります。日本人配偶者が相手の姓に変更したい場合は、婚姻届とは別に氏の変更手続きが必要です。
戸籍謄本の取得方法と注意点
戸籍謄本は日本人配偶者のみが必要な書類です。本籍地の市区町村役所でしか発行してもらえません。
遠方にお住まいの場合は郵送でも取得可能です。郵送申請に必要なものをまとめました。
- 身分証明書のコピー – 運転免許証や健康保険証など
- 手数料 – 定額小為替で450円分
- 返信用封筒 – 切手を貼って宛先を記入したもの
- 申請書 – 各市区町村のホームページからダウンロード可能
郵送の場合は1週間程度かかることが多いです。余裕をもって申請しましょう。
中国人配偶者のパスポート準備
中国人配偶者との結婚では、身分証明書としてパスポートが必須です。日本の運転免許証や健康保険証では代用できません。
パスポートは国籍の証明と本人確認を兼ねた重要書類です。有効期限が切れていないかも事前に確認してください。
短期滞在ビザで来日している場合でも、有効なパスポートがあれば婚姻届の提出は可能です。
婚姻要件具備証明書の重要な変更点
婚姻要件具備証明書は中国での独身証明にあたる書類です。しかし、2021年2月に中国の法律が変更され、従来の婚姻要件具備証明書は廃止されました。
現在は代替となる新しい証明書制度に変更されています。駐日中国大使館に最新の取得方法を確認することをお勧めします。
取得した証明書には必ず日本語翻訳文を添付する必要があります。翻訳は専門業者に依頼するか、行政書士に相談しましょう。



2021年の法改正後、中国の婚姻要件具備証明書制度は大きく変わりました。古い情報のまま手続きを進めて失敗するケースが続出しています。必ず最新情報を大使館で確認してから準備を始めてください。
婚姻届提出から完了までの具体的な流れ


書類準備が完了したら、いよいよ婚姻届の提出です。スムーズな手続きのために、提出から完了までの流れを詳しく説明いたします。
市区町村役所での婚姻届提出
準備した全書類を持参して、お住まいの市区町村役所に提出します。夫婦揃って窓口に行く必要があります。
窓口では書類の内容確認が行われます。不備がなければその場で受理され、正式に夫婦として認められます。
書類に不備があった場合は、修正や追加書類の提出が求められることがあります。事前準備をしっかりと行いましょう。



窓口での審査時間を短縮するコツは「書類の順番を整理して提出すること」です。私がサポートする際は、チェックリストを作成して漏れがないよう確認しています。準備の段階で専門家に相談することをお勧めします。
婚姻届受理証明書の取得
婚姻届が正式に受理されると、婚姻届受理証明書を発行してもらえます。手数料は1通350円です。
婚姻届受理証明書は中国での結婚手続きに必要な重要書類です。必ず取得してください。
証明書は即日発行が可能です。婚姻届提出と同じ日に取得しておくと効率的でしょう。
中国大使館での手続き
日本での婚姻手続きが完了したら、中国での手続きも必要になります。婚姻届受理証明書を持って駐日中国大使館に申請します。
中国大使館での手続きの流れは以下の通りです。
- 外務省での公印確認 – 婚姻届受理証明書の公的証明を受けます
- 中国領事館での領事認証 – 中国政府による公式認証を受けます
- 中国での戸籍変更 – 公安局派出所で戸口簿の記載変更を行います
これらの手続きは郵送でも対応可能です。遠方の方でも安心して手続きを進められます。
手続きをスムーズに進めるための重要なポイント


行政書士として多くの国際結婚をサポートしてきた経験から、手続きを成功させるための重要なポイントをお伝えします。
早めの準備が成功の鍵
国際結婚の手続きは想像以上に時間がかかります。書類取得だけで数週間から1ヶ月程度は見ておいた方が安全です。
特に婚姻要件具備証明書の代替書類については、制度変更により取得方法が複雑になっています。早めに大使館に相談することをお勧めします。
翻訳文の品質にこだわる
中国語書類の日本語翻訳は、手続きの成否を左右する重要な要素です。不正確な翻訳は書類不備の原因になります。
翻訳は専門業者に依頼するか、国際結婚に詳しい行政書士に相談しましょう。費用を惜しんで自分で翻訳すると、後で問題が生じる可能性があります。
最新情報の確認を怠らない
国際結婚に関する法律や手続きは頻繁に変更されます。婚姻要件具備証明書の廃止も、その一例です。
手続き開始前には必ず最新情報を確認してください。大使館のホームページや市区町村役所への問い合わせを活用しましょう。



私の経験では、手続き全体で最も時間がかかるのは「中国での婚姻要件具備証明書の代替書類取得」です。この部分だけで1〜2ヶ月かかることもあります。結婚式の日程を決める前に、まずは書類準備のスケジュールを確認することが大切ですね。
中国人との国際結婚の手続き。婚姻届に必要な書類のまとめ


中国人との国際結婚手続きは、正しい書類準備と手順の理解が成功の鍵です。
婚姻届提出に必要な書類をもう一度まとめます。
- 婚姻届 – 夫婦と証人2名の署名・押印が必要
- 戸籍謄本 – 日本人配偶者の本籍地で取得
- 中国人配偶者のパスポート – 有効期限内のもの
- 婚姻要件具備証明書の代替書類 – 最新制度での取得が必要
国際結婚は二つの文化が出会う素晴らしい選択です。書類準備は複雑で時間もかかりますが、正しい手順を踏めば必ず完了できます。
分からないことがあれば、提出先の市区町村役所や駐日中国大使館に直接問い合わせることをお勧めします。事前の準備と確認を怠らず、素晴らしい国際結婚を実現してください。