【日本の国際結婚の割合】国籍や男女比率までご紹介

日本の国際結婚は、ズバリ言うと減少しています。多くの方が「最近増えている」と感じているかもしれません。しかし、実際のデータを見ると、2006年をピークに明らかに減っているのです。
私は行政書士として、多くの国際結婚カップルの手続きをお手伝いしてきました。肌感覚では国際結婚が身近になったと感じます。しかし、統計データは別の事実を示しています。
今回は、内閣府の公式データをもとに、日本の国際結婚の実態を詳しくご紹介します。国籍別の割合や男女比率まで、正確な情報をお伝えしましょう。
日本の国際結婚は実は減少している


国際結婚の総数は、2006年の44,701組をピークに減り続けています。
内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」(令和4年3月)によると、国際結婚は10年前と比べて明らかに減少しています。
なぜ「増えている」と感じるのでしょうか。理由は以下の通りです。
- メディア露出の増加 – 芸能人の国際結婚ニュースが頻繁に報道される
- 身近な存在化 – 職場や学校で外国人と接する機会が増えた
- マッチングアプリの普及 – 国境を越えた出会いが簡単になった
体感と実際のデータには大きな差があるのです。
国際結婚減少の主な要因
国際結婚が減少した背景には、明確な理由があります。
最大の要因は、2005年の入管法改正です。
具体的な影響は以下の通りでした。
- 不法在留者の一斉摘発強化 – 2006年に駆け込み結婚が急増
- 興行ビザの審査厳格化 – パブやダンサーとして働く外国人女性の入国が困難に
- 出会いの機会減少 – 日本人男性と外国人女性の接点が激減
特に減少幅が大きかったのは、以下の組み合わせです。
- 日本人男性×中国人女性 – 12,131組から2,393組に減少(2006年→2020年)
- 日本人男性×フィリピン人女性 – 12,150組から1,955組に減少(同期間)
法的な環境変化が、国際結婚の数に大きな影響を与えたことが分かります。



行政書士として実感するのは、入管法の改正が国際結婚に与える影響の大きさです。法改正により審査基準が厳格化されると、真剣な国際結婚カップルまで影響を受けてしまうことがあります。正確な手続きがより重要になっているのです。
日本人男性と外国人女性の国籍別割合
日本人男性と外国人女性の結婚では、アジア4カ国が圧倒的多数を占めています。
上位4カ国は以下の通りです。
- 中国 – 最も多い国籍
- フィリピン – 2番目に多い国籍
- 韓国 – 3番目に多い国籍
- タイ – 4番目に多い国籍
興味深いのは、割合の変化です。2000年には4カ国で9割を占めていました。しかし、2020年には7割弱まで下がっています。
これは、国際結婚の多様化を示しています。従来の主要4カ国以外の国籍の女性との結婚が増えているのです。
日本人女性と外国人男性の国籍別割合
日本人女性と外国人男性の結婚では、男性側とは異なる特徴があります。
アメリカ国籍男性との結婚が突出して多いのが特徴です。
主な特徴は以下の通りです。
- アメリカの割合が高い – 他の国籍を大きく上回る
- 「その他」の割合が高い – 多様な国籍との結婚が多い
- アジア以外も多い – アフリカ、中南米など幅広い地域
私の事務所でも、日本人女性の国際結婚では実に様々な国籍の男性を取り扱います。アジア、アフリカ、中南米など、本当に多岐にわたります。



最近は本当に珍しい国籍の方からの相談が増えています。アフリカ諸国、中央アジア、南米など、10年前には想像できなかった多様性です。グローバル化の進展を肌で感じています。ただし、どの国籍でも必要な書類や手続きは変わりません。
最近の国際結婚の新しい傾向
近年、国際結婚の傾向に変化が現れています。
東南アジアや南アジアからの留学生との恋愛が急増しています。
増加している国籍は以下の通りです。
- ベトナム – 日本語学校や専門学校の学生が多い
- ネパール – アルバイト先での出会いが増加
- スリランカ – 同じく学生やアルバイト先での恋愛
出会いの場所が変化
従来とは異なる出会いの場が増えています。
- 居酒屋のアルバイト – 一緒に働く中で親しくなる
- コンビニエンスストア – 仕事を教える中で恋愛関係に発展
- 大学や専門学校 – 同級生として出会うパターン
「親切に仕事を教わった時に好きになった」という話をよく聞きます。自然な形での出会いが増えているのです。
国際結婚の多様化
外国人が身近な存在となり、恋愛対象として見られることが増えました。これは素晴らしい変化だと思います。
珍しい国の方と真剣に恋愛している話を聞くと、私もワクワクします。いろんな習慣があり、二人で様々なことを乗り越えて結婚に至る。そんなストーリーを聞くと、感慨深い気持ちになります。



留学生同士の恋愛から結婚に発展するケースが本当に増えました。アルバイト先で出会い、お互いを支え合いながら関係を築く。とても自然で健全な出会い方だと思います。ただし、在留資格の変更手続きなど、事前の準備が重要になります。
日本の国際結婚の割合。国籍や男女比率のまとめ


日本の国際結婚は総数では減少していますが、多様化が進んでいます。
今回お伝えした重要なポイントをまとめると、以下の通りです。
- 総数は減少傾向 – 2006年の44,701組をピークに減り続けている
- 入管法改正の影響大 – 2005年の法改正が減少の主要因
- 国籍の多様化 – 従来の主要国以外との結婚が増加
- 出会いの場の変化 – アルバイト先や学校での自然な出会いが増加
行政書士として多くの国際結婚カップルを見てきて感じるのは、愛に国境はないということです。統計の数字は減っていても、真剣に愛し合う国際カップルは確実に存在します。
国際結婚を考えている方は、正確な情報を把握した上で、手続きを進めることをおすすめします。不明な点があれば、専門家に相談することが大切でしょう。



国際結婚は愛があれば必ず成功するものではありません。言語の壁、文化の違い、法的手続きなど、様々な課題があります。しかし、これらを一つずつ丁寧にクリアしていけば、素晴らしい国際家族を築くことができます。専門家として、皆さんの幸せを心から応援しています。